カロリーの計算に使う熱量の
- タンパク質4kcal
- 炭水化物4kcal
- 脂質9kcal
というカロリーは実は欧米人の平均的な食事を元に計算されている基準ということを知ってますか?
日本人の体質と日本人の食事から割り出したものではないんです。
確かにそうなんですが、それだけではない事情があるんです
それでは説明していきます。
ルブナーの換算係数とは
そもそもカロリーは
です。
しかし、これは物理的な燃焼値で、人が食べ体内に吸収されるエネルギーは生理的燃焼値とよばれます。
物理的燃焼値と生理的燃焼値は
物理的燃焼値→生理的燃焼値
- 炭水化物 4.1kcal→ほぼ同じ
- 脂質 9.45kcal→ほぼ同じ
- タンパク質 5.65→4.4kcal
ですが、タンパク質だけ5.65kcalが4.4kcalと大きく減ります。
炭水化物、脂質は物理的燃焼値と生理的燃焼値はかわりませんが たんぱく質だけは尿などで排出されるタンパク質の損失分が多く1g当り1.25kcalとして4.4kcalとなっています。
また、1gあたりの正しいのタンパク質のカロリーは
- 動物性で4.5kcal
- 植物性で3.7kcal
で平均的な摂取量から、たんぱく質1gあたり4.4kcalとしています。
19世紀にルブナーが初めてタンパク質、脂質、炭水化物の熱量を算出した為、これらの値をルブナーの換算係数と名付けました。
マックス・ルブナー(Max Rubner・1854-1932年)はドイツの学者、医師です。
このルブナー係数は1883年に提唱されたといいますから、平均的な食事、体質などは当時の欧米人(特に白人)を中心に算出されたと考えられます。
もちろんその後、改良されているとは思いますが
アトウォーター係数とは
アトウォーター係数はルブナー係数のさらに消化率を計算に入れて修正したカロリー数です。
食事した栄養は100%消化吸収されるわけではありません
アトウォーターは吸収率を
- タンパク質92%
- 脂質95%
- 炭水化物97%
としてルブナーの換算係数を補正して、私たちが今使っているカロリー計算の元となる
- タンパク質4kcal
- 炭水化物4kcal
- 脂質9kcal
というアトウォーター係数を決めました。
しかし消化率については個人差と体調によって誤差がでますし
アトウォーター係数は、1985年に発表されていますが、当時のアメリカ人とその平均的な食事を元に算出しています
その後修正されていますが、現在の日本人とその食事とはずいぶんかけ離れていると考えられます。
特にタンパク質については大きく違うと思います。
そうゆうわけであくまで目安として考えるべき数字がアトウォーター係数になります。
最後に・カロリー計算はおおざっぱでイイ
食事のカロリー計算を1kcal単位で行うことの労力の割に、精度が低い理由はそもそも、
- 栄養素のカロリーが厳密に正しくない
- 消化率は体調による
などのせいです。
食事のカロリーの計算はあくまでも目安ですので、あまり細かく計算してストレスをためるよりは
太れば減らす、痩せれば増やす
とおおざっぱにある程度考えるのがよいでしょう。